今日は、S氏夫婦にK氏を加えて 札幌マイぐい呑部、久しぶりの活動。 札幌の名だたる料理人が一目を置く名店、味道広路さんでランチ。
味道広路 北海道夕張郡栗山町湯地40-35 電話:0123-73-6677 定休日:火曜・第2水曜 営業時間:12時~14時30分 17時30分〜21時 カーナビの指示を頼りに向かうものの、本当にここで良いのかと不安になる。門らしい垣根に看板があるから、ここが何かの店舗である事はうかがい知れるが、それはまるで普通の一軒家。カーナビの案内が無ければ、完全に通り過ぎる自信がある。笑
店内は、入り口の戸を開けると、まずは長火鉢のある待合室に入る。
今日は暖かいので火鉢には炭は無いが、冬場の寒い時期には、ここで暖をとるのであろう。 客室の準備が整うと、中から出てきた女将さんが1組ずつに声を掛け、1組ずつ店の奥の各部屋へと案内される。 一つ一つが丁寧で、これから始まる物語に期待感を高めるための演出。良い序幕だ。 さて先ずは飲み物。 今日は、行き帰りの運転手にS氏の奥さんが名乗り出てくれたので思う存分呑める。 いひひひ。笑
どうやら栗山町地元の酒蔵である小林酒造の酒を中心に揃えられている。 北の錦 北斗随想 純米大吟醸 北しずく 25周年記念酒 北の錦 冬花火 純米大吟醸 おりがらみ 北の錦 新酒生大吟醸 あらばしり と各々思うところの酒をチョイス。 まるで北の錦プチ試飲会だ。 今回のマイぐい呑みは、敬意を表して 中村六郎 備前酒呑。 S氏とK氏は、私が札幌移住のお近づきの印としてプレゼントした中村和樹 備前ぐい呑を使ってくれた。 酒は徳利で提供される。 ここ店主うつわにも気を使ってると直感する。 「この店主できる」うふふふ。 これから提供される料理の器も楽しみだ。 前菜 越冬人参と槍烏賊
冷製なので涼しげなガラスの器。小樽硝子かしら? 甘い人参と人参の葉のほろ苦さに柔らかく煮られたイカが、何故か良く合う。 「普段なら苦手で食べないような物が美味しく感じる」とK氏。 椀物
白ソイのあら汁
ふっくらと仕上げられた淡白な白ソイの身に、あらを炊いた濃厚なスープがよく合う。相当丁寧に炊かれたのであろう、濃厚ではあるが、雑味が少ない。 エクセレント。 私好みの酒に合う汁だ。 向付 つい覗き込みたくなるような深さがある焼締の器に盛られた、平目のお造り山わさびと藪萱草の新芽添え
どうやったのか旨味を引き出された平目に、控えめな山わさびが食欲を増進させる。 添えられた山菜は、見た目で行者にんにくかと思ったが、食すとあのような強い香りではなく爽やかな風のような味。 女将さんに聞き直すとヤブカンゾウの新芽だと言う。 初めて食したが、平目のような繊細な白身には納得の取り合わせ。 焼物 桜鱒の木の芽焼きと凍み豆腐の蕗味噌焼き
「柚子のような味がする」とS夫人。 なるほど、柑橘類を思わせるほど香り豊かな木の芽。 「あれから、魚の皮も食べるようにしてますよ」と私。 もう何年前だろうか、S夫人と初めてお会いした会食で 「魚の皮残すんですか?魚は皮が一番美味しいんですよ!」とS夫人に叱られた経緯がある。苦笑 あれから何だか気になり魚の皮も残さず食べるようにしている。 それからこの凍み豆腐がやたら美味い。一般的には高野豆腐といったほうが、通りは良いかしら。スポンジ状になった豆腐のアレであるが、どうやったのか、しっかりと出汁を含ませていながら、周りはサクッとしている。 よく見ると薄っすら衣を纏っている様にも見える。揚げたのか?この出汁を含ませたまま揚げられるのか?それとも衣をつけてオーブンで焼いたらこうなるのか?などと分析をしてしまうが、納得いく答えは出ない。 答えは出ないままだが、上に乗った蕗味噌との相性も抜群でとにかく美味い。 ビューティフル! 酢の物
ツブ貝と海藻の酢の物
口の中のリセットはやっぱり酢の物。酢はあくまで優しく、ツブ貝の処理も上手で変な生臭さも無い。 「普段なら食べないような物が美味しく感じる」とK氏。また言ってるわ。笑 煮物 粉引の茶碗に盛られた蕪と帆立の炊合せ
シンプル・イズ・ベスト お出汁の香りが部屋に充満するのを感じる。ほっこり温まる。ありがたい。 ご飯
わかめとムール貝の汁飯
しめのご飯はサラっといけちゃう汁飯。 今まで米に合う貝はホッキだと思って疑わなかったが、ムール貝も合うのね。 水菓子
八朔と紅茶のシャーベット
美味かった。 何とも幸福な時間を過ごし、食後の談笑。 初めて伺うお店はあえてノースタディな私。 知らなかった。 おや? 中居さんがさらにナニカを準備している。
菓子
小豆餡とじゃがいもの黄味餡乗せ
なんと、さらに別腹。 しかも抹茶まで用意された。 「わぁ・・・」驚きと喜びの混ざった音が自然と漏れ出す。 いやはや脱帽です。 何の変哲も無い素朴な食材を食材の良さを最大限に引き出すための引き算のテクニックが冴え渡る。 料理 しつらえ 接客 うつわに至るまで抜かりない。完璧。
季節毎に変化する食材を味わってみたい。 素直にまた来たい。 誘ってくれたS氏と1人お酒を飲めず行き帰りの運転してくれたS夫人にも改めてお礼を申し上げます。 ご馳走様です。 それでは「マイぐい呑ライフ」に乾杯。
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