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鉄人って・・・


初めて宿泊する街は期待と不安が入り混じる。 朝4時に起きてから、地下鉄やJRを乗り継ぎ小一時間、飛行機に約2時間、その後さらにJR特急に揺られ2時間かけての移動。この時点でヘトヘトである。 なんとか仕事を済ませ、今宵の一杯をどうするか悩むが、疲れきっていて外に出る気力もない。 初日はコンビニで済ませてしまった。 さて2日目。 今日こそは、是が非でも楽しみたいものだ。 飲食店が点在する街中まで移動しブラブラ歩きながら思考を巡らす。 なんとこの近くに、むかしフジテレビで放送された人気番組「料理の鉄人」に出演したことのある料理人が居るとの情報をキャッチ。 これは期待できるかも・・・。フフフ。 いわゆる和食割烹料理屋的で上品な造りの入り口。階段の上から騒がしい声が聞こえる。宴会が行われているようである。 カウンターに通されるが、2階の騒々しさとは打って変わって静かであり、なんだか雑然としている。 カウンターには客がいない。 おや、失敗したかな? 今回は、久しぶりの失敗の回である。 これも「マイぐい呑」の実際である。様々な出来事もある。不快に感じる表現もあるかもしれないので、気になる方はこの先は読まないでいただきたい。あえて店名や場所は伏せさせていただく。 しかし、この店主の出で立ちが酷い。 白衣や割烹着、前掛けやエプロンではなく、でろんでろんに伸びた上下黒のスウェットに靴のかかとを踏んでいる。 おおよそ、客人を迎えようという気持ちのある料理人の格好ではなく、どう見ても休日に昼過ぎまで寝ていた寝起きの汚いオヤジである。 料理の腕を見た目で判断するのは失礼かもしれないが、経験上、靴のかかとを踏んでいる大人にろくな人間はいない。

もはや不安しかない。 配膳は、休日の汚いオヤジではなく、和服姿の綺麗なおねえさんで少々ホッとする。

蘭心純米吟醸、中村和樹

まずは、蘭心純米吟醸。マイぐい呑は、酒器の神様中村六郎の孫であり、ここ最近急激に上手くなっていて話題の中村和樹作 備前ぐい呑。 しっかりとした味わいに華やかな香り、この酒なかなか美味い。

先付け、中村和樹

先付は、大根の酢漬けで巻いた蟹。もずく酢。ツブ貝。ワカサギ南蛮漬け。胡麻豆腐。5品中の3品が酢の物。ヤル気アルノカ?

ゼンマイ鍋

次はゼンマイと牛肉の鍋。 少々甘めの出汁に食材がマッチしてなかなかに美味い。 続いて刺身の盛り合わせ。 生の北寄貝は肉厚でナイスだが、あとが悪い。

刺身

薄いソイと薄い鰹、小さめの牡丹海老。てろんてろんのホタテに硬いミズダコ。 これならスーパーの刺身と変わらない。 なんだか、雲行きが怪しくなってきた。 そうこうしてるうちに酒が空になった。 小汚いオヤジにオススメを伺う。 オヤジ「ウチでは、國稀の大吟醸だよ。コレを呑んだら、他の酒が呑めないくらい美味いよ」 へぇ、國稀ってあの國稀だよなぁ、しかし、大吟醸は試した事が無かった。 大吟醸になると急に何かが変わるのか? 少々の不安を感じながらもコレをいただく事にしよう。 酒が運ばれる。 一口いただく。 うん、旭川の男山のように、ザ・北海道の酒だ。けして不味いわけではないが、これといって美味いわけでもない。良くも悪くも、昔ながらの北海道の酒である。 チーン。

鰈の煮付け

続く料理は、冷めた鰈の煮付。なぜ温めないのだろうか。

鱒の西京漬焼き

さらに重ねるように、鱒の焼き物。 こちらは、焼きたての西京漬焼きで美味かったが、刺身の後に煮魚、焼魚と魚料理の三段活用か? センスを疑う構成である。 天ぷらが登場。

天ぷら

オイ、オイ、オイ。 なんだこの盛りは。

天ぷらは重ねないのがセオリーである。基本中の基本だ。 案の定、衣はふにゃふにゃ。水分がでてべちゃべちゃ。 ダメだコリャ。

しかも、鰈の煮付が提供されてからここまで5分足らず。気がつけば、ひとりお誕生日会状態だ。 食事が運ばれた。 ナンダコレ?

食事

茶色い餡が掛ったご飯と味噌汁。 一口いただくが、想像通り中華丼のような味。何故にコヤツを締めの一品に選んだのか悩むほど、チグハグである。

水菓子

デザートの水菓子は、メロンとパイナップル。 一応は、会席料理の体を成しているが、全体的になんだか仕出し弁当を食べている気分になってくる。

こうなってくると別の疑問が出てくる。本当に「料理の鉄人」に出演したのか?ガセネタか?もはや笑うしかない。フフフ。

なんとも煮え切らない。 嗅覚を鍛えて出直そう。 ごちそう様でした。 明日のマイぐい呑ライフに乾杯。

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