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マイぐい呑のススメ

味のパラレルワールド 味乃じゃんぼ


「じゃんぼ」と聞いてどんな店を想像出来るだろうか。

なんとなく思い浮かぶのは、鉄板焼きじゃんぼ、焼肉ホルモンじゃんぼ、のような下町感溢れる店の雰囲気。 もしくは、本名は鶴田友美というチャーミングな名前でありながら、日本人初のAWA世界ヘビー級王者に輝いたプロレスラーのジャンボ鶴田か、アフリカで裸族達が、上下に跳びながらスワヒリ語で言われる挨拶「ジャンボ」くらいだ。 そんな「じゃんぼ」であるが、これがなかなか侮れない。 創作和食で予約必須の人気店だ。

味乃じゃんぼ

味乃じゃんぼ 北海道札幌市東区北12条東13丁目1−5 電話:011-751-1634 定休日:月曜日 一週間前に予約を入れスタンバイOK。 さて当日。 世界最高水準のスマートフォンiPhoneを使い、これまた世界最高水準のGoogleを駆使し、ナビゲートしながら店に向かうが、いつも通り、店の周りをグルグルと行ったり来たり迷ってしまう。 「あのY字になったところのセブンイレブンがポイントなんだよ」と、頭では理解しているが、素直にたどり着けた試しがない。 今回は2周半ほどで発見できたが、周辺住民から不審者として通報されそうなぐらい挙動がおかしい。 気持ちを整理し、さも当たり前のような顔をして入店。 店内は、ぎっしり大賑わいである。

サッポロクラシック

カウンター席に通された。 予定より早く着いてしまったため、メンバーが揃っていない。 まずはサッポロクラシックで喉を潤しながら待つとしよう。 先付けは胡麻豆腐だ。 調子の良い店主のダジャレに和みながら、10分ほどで集まった。ちょうど8時だ。 「8時だょ全員・・・」やめておこう。 こちらにまで店主のダジャレ症が移りそうだ。笑 今日は、マイぐい呑仲間であるS氏とW氏との3人。

札幌マイぐい呑部だ。 さて、さっそく酒に切り替え、ぐい呑を取り出す。 六根純米大吟醸からゆるりとスタート。

六根純米大吟醸、西岡小十

今回のマイぐい呑は、西岡小十作 絵斑唐津ぐい呑。 W氏は、恒枝直豆作 備前ぐい呑。 S氏は、最近私が手に入れた中村和樹氏のぐい呑を使いたいということで、そちらを使ってもらった。 一品目の料理は、時不知とツブ貝のサラダ。

時不知とつぶ貝

時不知(トキシラズ)とは秋ではなく春から夏の間に獲れる季節外れの若い白鮭で、卵に栄養を取られていないため、脂のりが良く柔らかで美味い。水揚げもごくわずかなため珍重される鮭だ。 皮目をパリパリに焼かれ、身はふっくらと柔らかい。スタートとしては上々だ。

ホワイトアスパラガス

続いてホワイトアスパラ焼き。 甘いので、軽く塩を振られているようだ。そのままで美味い。 3品目が茶碗蒸し。 ここからが、ジャンボの真骨頂。この茶碗蒸しが「ラーメン」なのだ。

ラーメン茶碗蒸し

食べる前から香りがラーメンそのもの。 さじで頂くが、違和感を感じる・・・?

麺だ。爆笑

この茶碗蒸しの中に麺が入っている。いやいや、麺だけでなくメンマやチャーシューも出てきた。オイオイオイ。笑 私の頭がおかしくなったのではなく、確かに「ラーメン茶碗蒸し」なのだ。 「その茶碗蒸し、ラーメンですから」と、当たり前のように言ってる店主。 フフフ。この店主の頭がおかしいのかもしれない。笑 「ところで皆さんは、どういったご関係なんですか?」と若いスタッフさん 私「仕事の・・・いや、マイぐい呑部の関係です。マイぐい呑仲間です。」 スタッフ「マイぐい呑?!」 私「自分の気に入ってるぐい呑を持って飲み歩く遊びをしているんです。」 スタッフ「皆さん持ってるんですか?」 W氏「今回は、じゃんぼだって言うから自分も忘れずに持ってきました」そう言って、ぐい呑を見せるW氏。 店主「私のぐい呑に似てるなぁ、ちょっと待ってよ」そう言ってガサゴソ。 店主「ほら、これ備前焼でしょ?、うんうん、自分の好きなぐい呑で飲む酒は格別ですよ。うん、これで飲めたら、さぞ最高なんだろうなぁ〜。最高だろうなぁ〜・・・」おやおや、店主が酒の催促をし始めた。 フフフ。 私「ささ、どうぞ、どうぞ」 店主も交えて、改めて乾杯!笑 これぞ、マイぐい呑効果である。楽しくなってきた。

作 穂乃智純米

さらに「作 穂乃智純米」を追加。飲み口がよく最後に鼻から抜ける香りがフルーティ。ナイス。 わさびの葉に隠れた刺身が登場。

刺身

蝦蛄、ツブ貝、北寄貝、ソイ、牡丹海老。火照った頭をいったんクールダウン。 と思っていたら、 「これ美味しいですね、この葉っぱ何だろう?」とS氏。 私「え?それって、飾りのわさびの葉ですよ」 S氏「へぇ、美味しいですね。」 魚の皮、エビの尻尾や頭なんかは、当たり前のように食べるS氏。 オイオイ、皿の上に乗っているもの=食材と脳内変換されているんだろう。 スタッフ「茎の方がわさびっぽい爽やかな風味がありますよ」 え?食べるの?正解がわからなくなってきた。 「刺身の続きです」 刺身の続き? 続刺身? 刺身のセカンドステージ?

北寄貝の串焼き

何かと思えば、北寄貝の串焼きだ。 これに添えられたのが豆腐のペーストに三升漬け。これがまたグビグビと酒が進む。 皿に残った箸でつまめない状態を舐めて綺麗にしたいくらい良い。 W氏は、皿を下げにきたスタッフを3回ほど断っていたくらいお気に入り。

カネタ玉田酒造店

続いて「カネタ玉田酒造店 斬 純米吟醸 肴ラベル」を頂く。すっきりとキレのいい酒。 さて料理が続く、 ワカサギと春野菜の天ぷら。

ワカサギと春の山菜の天ぷら

この時期に珍しいワカサギだ。 たらの芽、根曲がり竹、行者にんにく等の春の爽やかな苦味を感じ、ほっこりとした気分になる。

天ぷらに舌鼓を打ちながら、 田酒 百四拾 純米吟醸を追加する。春らしいパチパチと弾けるフレッシュさを感じ、顔がほころぶ。 さて、今日のご飯が運ばれてきた。 「いかめし」だ。 甘辛く炊いたいかめしって美味いよね。醤油の香りが、・・・しない。笑 しかし、ずいぶんと食欲のそそる香り。スパイシー。

ドライカレーのいかめし

店主「いかめしには、ドライカレーを詰めてます。」 また当たり前のように言っている。笑

イチジク

最後に水菓子のイチジクをいただいてフィニッシュ。 ん?このソースはなんだ? 生クリーム系のソースかと思いきや、胡麻ダレだ。 しかも美味い。

ここまでくると、正解がどこにあるのかわからなくなる。

出口のわからない巨大迷路のような、むしろ別次元のパラレルワールドの住人なのかもしれない。 しかし美味かった。いやはや堪能した。 パラレルワールドとの結界が徐々に融けて現実世界に戻されるのを心地よく感じながら、帰るとしよう。 ごちそうさまです。

それでは、

今日のマイぐい呑ライフに乾杯!

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