ラベルから日本酒を読み解く2


前回は、特定名称酒と日本酒度、酸度について話をしてきたが、引き続き日本酒のラベルの読み解きたい。今回は、生酒、生貯蔵、ひやおろし、中取り・・・などの火入れと搾りについての表記の違いを考えたい。

火入れとは、 通常の場合、酵素の働きを止めたり、殺菌のためであったりと2回の火入れを行うが、これが行われない場合「生」という表記が付くのである。

通常   搾り→火入れ→貯蔵→火入れ→瓶詰め 火入れは2回

生貯蔵酒 搾り→貯蔵→火入れ→瓶詰め 火入れは1回

生詰酒  搾り→火入れ→貯蔵→瓶詰め 火入れは1回

生酒   搾り→貯蔵→瓶詰め 火入れは0回 生酒は、出来立てのフルーティーな味わいだが、酵素の働きを止めていないため非常にデリケートで貯蔵や保存が悪いと火落ち菌と言われる乳酸菌の作用で劣化を起こす。「本生」「生生」ともいう。 新酒 醸造したままで、まだ火入れをしていない清酒。また、その年にとれたお米で醸造して、春に出荷する酒。

と定義されているようだ。

現在では、一般的に12月から3月の冬場に醸造されるため、その年にとれたお米で醸造し夏を越さないものをさすことが多い。 また、俳句の季語としての新酒は10月(秋)を表す。これは、現在のように醸造技術や冷蔵技術の発達していない時代では、米の収穫後すぐに醸造していたという理由からだ。実に面白い。

さて、春に搾った新酒を低温で冷蔵貯蔵したお酒の中に、夏場は気温が高く火入れしないと瓶詰めできなかったが、生詰めできるほど気温が下がった秋頃から、出荷される特別な酒を、特に「ひやおろし」だとか「秋あがり」という。 ひやおろし・秋あがり 春先に搾られた新酒を一度火入れし、暑い夏の間は低温貯蔵で熟成させ、秋に2度目の火入れをせずに生詰めしたお酒。

このように火入れの方法や季節によって名称が変わってくる。季節ごとに味わいも様々に変化するため。季節限定的な酒になるので新酒やひやおろしは1年の中で待ち遠しいものだ。

日本酒を醸造するには、酒母、麹、蒸米、仕込み水を混ぜて酵母によるアルコール発酵をさせるが、この全て混ざった状態を「醪(もろみ)」という。

この醪の状態から酒と酒粕に分ける作業を「搾り」という。

この搾りの工程でも酒の味が変わってくるので知っておきたい。

あらばしり 酒を搾る際、圧力をかけずに最初に出てくる部分。また酒袋を積み上げていく途中に流れ出て走りだした酒。最初に出てくる酒は薄く濁っており、アルコール度数は比較的に低め。 ワイルドで切れ味が良く、香り華やかでフレッシュ感のある味わい。 中取り・中汲み・中垂れ あらばしり後の透明になった酒。槽一杯に酒袋を積み、あまり圧力をかけず自然に出てくる酒。 香味のバランスに優れ、一般的に酒の良い部分と言われる。 責め 中取りが終わり、圧力をかけて搾る部分。「あらばしり」や「中汲み」に比べて、雑味が多いので、大吟醸酒にはあまり使われない。搾りの段階の中でアルコール度数は一番高く、濃い味わいになる。 無濾過 酒袋から搾られた日本酒は、澱など細かなお米のカスが残る。これを取り除いたり、脱色、香味の調整のため「濾過(ろか)」を行うが、「無濾過」とは、この濾過作業をしていない酒のことを指す。うまみと香りが強く出る。 おりがらみ・うすにごり 薄らと濁った酒のこと。
もろみを搾った直後の酒のなかには、「澱(おり)」という細かくなったお米や酵母など小さな固形物が混ざっている。 通常は、貯蔵タンクに入れ放置しておき、澱を沈殿させ澄んだ部分のみ使用するが、あえて澱を混ぜたものを「おりがらみ」という。
米の旨味が感じられるものが多く、発泡を感じるものも多い。 搾りの最後は「原酒」 原酒とは、 搾った酒に水を加えていないのもの。

原酒は加水するお酒に比べるとアルコール度数が高くなる。風味が濃醇。 「原酒」と「無加水」は同じ意味。
「原酒」や「無加水」と明記されてい場合は、水を加えてアルコール度数を調整している。

例えば、この「川中島幻舞 特別純米山田錦 無濾過生原酒 中取り」の場合は、川中島ブランドの幻舞シリーズの中で、山田錦を使用した精米歩合60%以下の純米酒で、一番いいところだけを搾って、一度も火入れをしていない生酒を、濾過もせず瓶詰めした酒であることがわかる。 フレッシュでフルーティでありながら、ドスンと旨味のしっかりした味わいではないか?ひょっとしたら微発泡も感じられるかもしれない。とラベルから想像するのも楽しいものである。 今日はここまで

それでは、 あなたのマイぐい呑ライフに乾杯。

#火入れ #搾り #無濾過 #あらばしり #おりがらみ #中取り

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